世界から猫が消えたなら

2016年5月に公開された映画『世界から猫が消えたなら』を見た。
原作は川村元気さん著の同名小説。原作は読んでない。

あらすじは…
主人公は平凡な郵便配達員の男(佐藤健)。ある日、その佐藤健が自転車乗ったまま謎のバク宙を試みた結果自転車から転がり落ち病院へ。診断を受けると『末期の脳腫瘍』とのこと。あまりにショック過ぎてしょんぼりしたまま家に帰ると、自宅の食卓にドッペルゲンガーが座って待っていた。そいつは自分の事を死神だとか悪魔だとかいっており、しまいには「お前は明日死ぬ。だけど1日寿命を延ばしてやることが出来る。」とか言ってくるので、佐藤健が寿命を延ばす条件を聞くと「世界から何かを消す代わりに1日寿命を延ばす」と言ってきた。そんなかんじ。

見終わった感想は、タイトルからの想像とは違ってファンタジー要素の入ったスパイスのある感動作品だったな、って感じ。

ウチは色んな登場人物に感情移入をして映画を見るタイプなんだけど、とにかく心が痛かった。誰に感情移入をしても、自身の恋愛の経験であったり、友人を失った経験、幼少のもう手に入らない小さな幸せへの懐かしさ、色んな自身の経験と重なって切なくて涙が溢れてしまう作品だった。あからさまなバッドエンドや人の死をただただ見せて悲しませるような、ありきたりな感動作品ではなく『見る人によっては人生をちょっと振り返らせてくれる』そんな映画に感じた。面白かったというより、大切なものをちょっと思い出すような…そんな感じかなぁ…。表現がむずかしい。見てない人は見て欲しい。

あ、エンディングの曲めっちゃ良かったなぁ。なんか涙出る。ガラガラの映画館で見たら意味もなく号泣してたかも。

 

 

以下、ネタバレありの感想。

 
途中でCGを使ったシーンが入るんだけど、めっちゃちゃっちくて笑った。この表現
するなら、ビフォーからアフターを見せる表現でもよかったんじゃない?って思った。

個人的に一番印象が残ってるのは、佐藤健が自分が死ぬ事を濱田岳に伝えた後の「見つからないんだ…ないんだ、出てこない。あいつが死ぬんだ…ずっとあいつが見る映画を選ぶのが俺が役目だったのに…けど、見つからないんだ…さっきからずっと探してるのに…さっきから探してるのに…どうしても見つからないんだ…」のシーン。
ここがもう切なくて切なくて心が痛かったなぁ…。亡くなる人もだけど失う人もつらいんだよなぁ、っていうのを思い出させてきた。共感出来るシーンてのは本当に印象に残るわぁ…。

ウチは大切な人や自分を想ってくれている人がいる時は時間がこのまま止まればいいのにって思うけど、そういう人がいないと感じてしまった時とか自分は一人なんだって感じた時はいますぐに死にたいって思ってしまう。だから、『もし明日死ぬって言われても何かを失ってまで「1日寿命なんて延ばしたい」なんて思わない。』そういう気持ちで見始めたんけど、最終的にちっぽけだなぁ自分って感じてしまった。そんなかんじ。

ウチは映画とゲームが世界からなくなるくらいなら今日死んでもいいかな。あと、エビチリ。てか、濱田岳みたいな友達がほしい。